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 発達検査の結果から***その3

秋の気配を感じさせるような涼しい風が吹き、軒下の風鈴を揺らしました。
その音色に誘われ、ふと外を見ると、桃色と薄紫を混ぜたような、繊細な色合いの花を
つけた一本のサルスベリの木が咲いていました。
私は居間で新聞を読みながらアイスコーヒーを飲んでいる主人に話しかけました。

「今年ね、抹茶は『サルスベリ』という言葉を覚えたんだよ」
「サルスベリ?そういえば、実家にあったなぁ」

ちりん、と風鈴の音色を響かせた窓辺で、主人は空を見上げ、ぽつりと言いました。

「覚えるということに関して、抹茶が自分よりも苦労しない事を祈るよ」

私は言いました。「苦労なんて、それは誰にだってあるでしょう」

「それはそうだけど、記憶する能力が劣っていると学習面では苦労すると思う」
「それほど暗記が苦手?」
「苦手だよ。逆に言えば、全く覚えられないから思考する事でカバーしているのかもしれない」
「思春期の脳の剪定で、さらに暗記能力が刈り込まれたのかもしれないね」
「そうかもなぁ。困ったなぁ」

そうつぶやきながら、薄くなりかけた頭をかく主人に、学習面で得意だった事、
不得意だったことについて聞いてみました。
抹茶と主人の気質が似ているのなら、親として覚悟しなければならない部分、
アドバイスしてあげられる部分があるだろう…と感じたからです。
主人は「全般的に、意味を問う問題は大丈夫だが、暗記は苦手」と前置きしてから
話し始めました。

●国語…読解はさほど問題ない。(注:主人比)
    暗記がものをいう漢字、古文、漢文は苦手。

●算数…数学は二番目に好きな教科。
    ただし、数学の公式は覚えずに自力で解いていくため、時間がかかる。
    単純計算は苦手。百マス計算は見ただけでくらくらする。

●理科…物理は一番好きで得意。(注:主人比)
    生物、化学は、意味を問う問題ならOK。暗記問題は苦手。

●社会…歴史的背景を問う問題など、意味を問う問題はOK。
    年号暗記や細かな事象の暗記は苦手。
            
●英語…壊滅的。(オゥノウ~)
   
氷が溶けて薄くなったアイスコーヒーを一口飲みながら、私は聞きました。

「対策みたいなものはあるの?」
「基本的なことだけれど、図や絵を描く事かな。生物の暗記はそれでなんとかなる。
化学は大学の教科書の方が理解しやすいと思うから、必要なら適宜与えるといい。
社会に関しては、先生の板書を写すのではなく、自分也に再構築したものをノートに記す。
図や写真が豊富なサブテキストや地図帳必須」
「知識を多く問うてくる試験内容には向かないのかな」
「向かないと思う。そして、選択式よりも記述式の方が向く」
「短所を克服するより、長所を伸ばすイメージ?」
「短所を克服できればそれに超した事はないけれど、時間との兼ね合いもあるからね」

そして、主人は少し間を置いてから、「でもさ、抹茶は二世だから得だと思うよ。
自分の経験を教えてあげられるから」と笑いました。




こうした記事を書くと、「今からもう先々のことを考えているのか。過保護では?」と
ご批判を受けるかもしれませんが、生きにくさを抱えている子にとって親が先を
見通すことは必要だと感じています。
お友達ブログ「トトロのとなりのやんちゃくれ達」でも「見通し」について触れられていましたが、
見通すということは、子どもの人生にレールを敷くような行為ではなく、
親自身が子どもの将来を真摯に見つめることなのでしょう。

適した職業、またその職業に就くために必要な一定の能力・学力、その一定の能力・学力を
身につけるための家庭支援…こうした見通しは「転ばぬ先の杖」のようなものです。
私は放任子育てを基本としているので、杖自体を子どもに用意してあげることは
あまり気が進みませんが、「親が杖を思い描くこと」は必要だと考えています。
親が思い描いた杖を振り払い、子ども自身が新たな杖をイメージするなら、
それはそれで何よりの喜び。親のイメージが徒労に終わろうと構わないのです。

「大丈夫大丈夫」と気楽に構える一方で、冷静に子どもの長短所を見極め、
そこから杖をイメージすること。
これは二次障害を防ぐ意味でも重要なことなのだと思っています。

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11:05 | 発達検査
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